今度こそはダイエットを絶対成功させると固く誓ったのに、途中で間食してしまい元通り。理想の彼氏ができたのに、些細なことでケンカして別れてしまう。
このような経験はないでしょうか? 努力不足だと自分を責めてしまいそうですが、実はこれらは潜在意識の力によるものなのです。
潜在意識にはよいも悪いもありません。うまく活用すれば、あなたの人生を素晴らしいものに変えてくれます。しかし、潜在意識の性質を理解しておかないと、あなたの足を引っ張ることもあります。
今回の記事では、どうして「変わろうとしても変われないのか」というメカニズムをご説明し、潜在意識とうまく付き合っていく方法をご紹介します。
Contents
潜在意識は現状維持が大好き
潜在意識は今のままが大好きです。変わることは嫌いです。昨日のあなたと今日のあなたが同じがよいのです。
あなたが、よりよい自分になろうと自分を変えようとすると、潜在意識はあらゆる手を使ってそれを邪魔をしていきます。
これを、潜在意識の現状維持メカニズムと言います。
潜在意識には、「これはよい」とか「これは悪い」などの善悪の判断はありません。あなたの身体や性格をコントロールしている現在のセルフイメージが、潜在意識にとってのあるべき姿なのです。
ですから、あなたがよい方向に変わろうとしても、現状が好きな潜在意識にとっては困ったことなのです。
「お金持ちはよりお金持ちに、貧乏人はより貧乏に」という言葉は、この潜在意識の現状維持メカニズムをよく説明しています。
お金持ちの人は、お金持ちであることが現状なので、お金持ちでいることが自然なのです。自然とお金持ちを維持するような環境、行動を引き寄せます。
逆に貧乏な人は、自然と貧乏になるような状況や行動を引き寄せます。
努力しても、振り返ってみると元に戻ってしまうというのは、潜在意識の現状維持メカニズムと言われる仕組みのためです。
現状維持メカニズムをよりご理解いただくために、これから3つのストーリーをご紹介します。
現状維持メカニズムの3つの事例
ケース1. ダイエットしてもリバウンドしてしまう。
あなたはダイエットしたいと思っているとします。
理想の体重よりも20キロも太っていて、健康的にもダイエットしたほうがよいのは明白です。
これまで何度もダイエットに失敗してきましたが、今度こそと奮起して、運動したり、食事制限して頑張ります。最初はそこそこうまく行きます。
体重が1キロ減り、2キロ減り。ダイエットは大変だけど、体重が減るという目に見えた成果が嬉しくて、あなたはもっと頑張ります。
身体は頑張りに応えて、さらに5キロ、10キロと体重が減っていきます。
これなら目標の20キロ減も夢じゃないように思えてきます。
ところが、目標を目の前にして、なぜかあなたのモチベーションは目に見えて低下し、いつの間にか運動はしなくなり、甘いモノを間食しています。
体重はあっという間に元の通り。またダイエットに失敗したと嘆きます。
ケース2. 思わぬ大金を手にしたのにいつの間にお金がなくなっている。
あなたは幸運なことに、宝くじで大当たりし、1000万円もの大金を手に入れました。
堅実なあなたは、1000万円を貯金することにしました。
1000万円ものお金があると思うと、心がウキウキし、街に出かけるのも楽しくなります。
無駄遣いをしないようにと思いながらも、ついついウインドショッピングがしたくなります。
今までだったら目にも止まらなかったようなモノが、目に入ってきます。
なんだかとても魅力的で、今すぐ買わないとという衝動に駆られます。
これくらいだったらいいか、と財布の紐を緩めます。
1年後、1000万円あった貯金はほとんどなくなっていました。
ケース3. 理想の彼氏ができたのに自分から別れてしまう
優しい彼氏が欲しいと思っているのに、出会う人はいつも自己中心的な人ばかり。
そんなあなたにも、ようやく優しくて素敵な彼氏に巡りあいました。
理想的な彼氏です。毎日が楽しくて仕方がありません。
ところが、ある日、あなたは些細なことで彼氏とケンカします。
仲直りできるタイミングはあったのに、あなたは彼氏に向かって「もう会いたくない」と言ってしまいます。
後から振り返ってみて、何であんなことを言ったのか自分でも理解できません。後悔してもあとの祭りです。
意志の力では潜在意識には勝てない
いかがでしょうか。これらのストーリーは架空の話ですが、実際にありそうなことです。共通しているのは、「なぜか」いつの間にか元通りになっていることです。
理性では、運動したり、食事制限をしたほうがよいことはわかっている。
理性では、無駄遣いしないほうがよいとわかっている。
理性では、仲直りしたほうがよいことはわかっている。
でも、なぜか自分の意志に反して違う行動を取ってしまいます。この「自分の意志に反して」という力が潜在意識の力です。
潜在意識は、「私はこのような人間である」という確固としたセルフイメージがあり、新しい自分になることを恐れます。
よいか、悪いかではなくて、変わること自体が嫌なのです。
ですから、あなたが意志の力で、「このように変わりたい」と考え行動しても、潜在意識はそれを邪魔するのです。
痩せようとすれば、潜在意識は、あなたに太るような行動を取らせます。いつも以上にケーキが美味しそうに見えてきます。
1000万円もの貯金があると、潜在意識は自分に不相応だと感じます。無駄遣いをさせて、貯金を減らそうとします。
理想の彼氏ができると、潜在意識は自分には不似合いだと感じます。仲を悪くしようと、些細なことで相手を攻撃してしまいます。
自分を変えるためには潜在意識を味方につける
成功のチャンスは準備ができている人にやってくる【ダイナマイトモチベーションから学んだこと】の記事で、私が半年間で1000万円の副収入を得るビジネスを成功させたのに、なぜかそのビジネスを辞めたくなったというお話をご紹介しました。
ビジネスを辞めたのは、商品のカスタマーサポートが大変で、本業(会社員)としての仕事に差し支えるというのが理由ですが、これも現状維持メカニズムの仕業です。
カスタマーサポートが大変だと言っても、実際にはそれほど時間がかかるものではなかったですし、外注するという手段もあったはずです。
それなのに、半年間で1000万円という収入を捨ててでもこのビジネスを辞めなくてはならないと、当時は切羽詰まって考えていました。振り返ってみると、どうみても合理的な判断ではありません。
現状維持メカニズムが、成功する自分に変わっていくのを怖がったのです。
私は当時から、この現状維持メカニズムのことは知っていました。それでも、当時はこれが現状維持メカニズムが作用しているとは気が付かなかったのです。
私事が続いて恐縮ですが、子供の頃、少年野球のレギュラーになり、初めての試合に出場するというチャンスがありました。
レギュラーになるということは、長い間望んでいたことで、とても嬉しかったことを記憶しています。
試合の当日、チームの仲間が道具を忘れたので一緒に取りに行って欲しいと僕に頼んできました。試合までにまだ十分に時間があったので、一緒に取りに行くことにしました。
戻ってくると、試合のチームメンバーに私の名前がありません。監督に聞くと、お前がいないと思ってメンバーから外したんだと言われました。
その後、私の代わりに試合に出場したチームメイトは活躍し、その後私にレギュラーのチャンスが回ってくることはありませんでした。
小学生の当時の私は当然、現状維持メカニズムのことは知りません。自分の不注意が引き起こしたことだと猛烈に後悔しました。
今は、これが現状維持メカニズムの仕業だったのだとわかります。長い間、レギュラーを切望していた僕のセルフイメージは、レギュラーになれない自分だったからです。
このように、現状維持メカニズムは、現状を維持するために、自分自身の行動や状況に働きかけをします。
意志の力だけで、現状を変えていくことはとても難しいのです。なぜなら、潜在意識は、意志の力である顕在意識よりも数十倍のパワーを持っているからです。
私たちは、自分を変えるためには、潜在意識の力を借りる必要があります。
具体的にはどうすればよいのでしょうか。
ここまで見てきてお分かりかも知れませんが、現状を維持しようとする源はセルフイメージです。潜在意識は、セルフイメージの通りの自分になろうとするのです。
ですから、私たちが変わるためには、行動の前にセルフイメージを変える必要があります。セルフイメージが成功した自分であれば、自然と成功につながる状況を引き寄せ、成功に必要な選択や行動を取れるようになります。
セルフイメージを変える方法については、下記の記事に詳しくご紹介しています。ご参考になれば幸いです。
■今回参考にさせていただいた書籍