不安な気持ちが生じた時に、プラス思考で「自分は不安に打ち勝つ人間である」などと自己説得してみても不安が消えることはありません。それどころか、プラス思考で無理やり不安な気持ちを忘れようとすると、不安を増幅させてしまう可能性もあります。
なぜなら、感情というのは、表に表現されないと、いつまでも感情のしこりが身体の中に残ってしまうのです。感情のしこりが溜まり過ぎると、ストレス、アレルギー、場合によってはうつ症状などの形で身体の不調となって現れます。
あなたの気持ちをないがしろにしてしまうプラス思考
プラス思考では不安な気持ちが消えないのは、「不安である」という自分の感情がないがしろにされているからです。感情が大切にされていないのです。
もしあなたが、親御さんだった場合、子供が何かに対して怖いとか不安だと訴えかけてきたらどうしますか? 話も聞かずに、「そんなことは大したことない。気にする必要ないよ。」と言いますか?
信頼される親ならば、そんなことはしないはずです。あなたから見れば、その状況は大したことがないと思っても、子供に寄り添って気持ちを聞いてあげるのではないでしょうか。
心を自分の子供だと想定してみましょう。あなたは、あなたの心の親です。不安だと訴えかけてくる心に対してどうしますか? プラス思考で、「そんなことは大したことない。気にする必要ないよ。」と言いますか?
プラス思考だと、心は感情を吐き出せず、益々辛くなっていくのです。このようなことを続ければ、心は感情に蓋をしていきます。これがうつにつながります。
30秒で不安を解消する方法
不安な気持ちを解消するためには、あなたの子供である心の話を聞いてあげることです。つまり、自分が不安を感じていることを認めること、認識することです。たったこれだけのことで、たいていの不安は、氷が溶けていくように解消します。
具体的には、人生を変える一番シンプルな方法―セドナメソッドにある、感情開放の4つの手順が参考になります。
セドナメソッドは、引き寄せのブームの火付け役となった書籍「シークレット」に出てくるメンター達がこぞって、推薦している感情開放テクニックです。
シンプルながら、驚異的な効果のある手法です。
1.「今、何を感じていますか?」
2.「その感情を認める事はできますか?」
3.「その感情を手放せますか?」
4.「いつ手放しますか?」
もし、気持ちがモヤモヤするようなことがあったら、この4つの質問を自分に対して行います。
1番目の質問で、今、自分が何を感じているのかを認識します。不安を感じているならば、「不安」ということが答えになります。
面白いことに、自分では不安でモヤモヤしているのかと思っていても、この質問を行うと、実はモヤモヤの原因が「怒り」だったということもあります。もちろん、その逆のこともあります。
2番目の質問は、自分を許容することです。マイナスの感情を抱くことはいけないことであるという信念の人は、この質問に対して「はい」と答えにくいかも知れません。それはそれで構いません。この質問をする時点で、少しずつ気持ちが氷解していきます。
3番目の質問は不思議に思えるかも知れませんが、場合によって人は感情に固執するからです。例えば「怒り」のような感情の場合、「怒り」を無くしたいと口では言いながらも、「怒り」の感情が自分から消えていくことを恐れるケースも見受けられます。
ここでも答えは、「はい」でも「いいえ」でも構いません。答えがどちらであるかはあまり意味はありません。素直に答えましょう。
4番目の質問は、3番目の質問で「はい」と答えた場合、それをいつ手放しますか?ということです。多くの場合、「いますぐ」ということになるでしょう。
4つの質問を行うのに、30秒もかからないはずです。これだけで、ウソのように気持ちがスッキリします。不安だけでなく、「怒り」、「悲しみ」などの感情にも効果的です。
■今回参考にさせていただいた書籍